今すぐ歯医者へ/虫歯を放置していると起こる危険な症状

虫歯になっているとわかってはいるけれど、なかなか歯医者へ行けずそのまま放置してしまっている…という方は多いのではないでしょうか。

気になってはいるものの、痛みが出てもすぐに治まる場合「まぁ、そんなに支障はないから大丈夫だろう‥」と放置してしまいがちです。それである日突然強い痛みに襲われて、慌てて歯医者さんに駆け込むというのもよく聞く話です。

また、痛みがなくても虫歯は徐々に進行していきますので、やっと歯科医院に行った時には治療に余計な費用と時間がかかることもあります。

今回は虫歯を放置しておくとどんなことが起こるのか、またどんな治療になるのかについて痛みの程度や症状ごとに段階をおって解説していきます。

知らないでいて後悔をすることにならないように、ぜひこの機会に虫歯を放置する危険性を知ってください。

また、自覚症状がある場合はすぐに歯科を受診するようにしてください。

この記事のポイント

  • 症状で虫歯の危険度がわかる
  • 虫歯を放置するとどうなるかがわかる
  • 虫歯が全身にどのような影響を及ぼすかがわかる
目次

冷たいもの、甘いものがしみる〈虫歯危険度1

まずは頻繁に冷たいものや甘いものが浸みるようになります。

最初は短期的な症状ですが、虫歯が大きくなるにつれて症状が継続的なものに変化していきます。

そのまま放置していると、虫歯は進行していきます。

【治療】

虫歯の部分を削って治療をするだけで治る可能性が高いです。
虫歯の大きさにもよりますが、症状だけでみると神経を残して治療ができる可能性が高い状態です。

A:虫歯の部分を削って型取りをします。次回来院時、詰め物を入れて治療完了。(2回で完結)

B:虫歯の部分を削って白い詰め物(コンポジットレジン)を充填し硬化させ、その日のうちに治療が完了。

※虫歯の状態により、AかBかは事なります。

※詰め物は保険(金属)、自費(セラミック)などいろんな種類があります。
※虫歯の状態により、麻酔をして治療をします。
※治療期間の目安:2週間

風や歯ブラシが当たるとしみる〈虫歯危険度1〉

いわゆる知覚過敏といわれ、風や冷たい水、歯ブラシを当てた時にしみる状態です。

強い歯ブラシ操作や歯ぎしりなどで歯の根っこの部分が削れてくることによってしみてきます。初期の知覚過敏では虫歯のような黒いものは見えませんが、そのまま放置していると削れている部分に食べかすが溜まりやすくなり、虫歯になりやすくなります。

【治療】

  • しみているだけで削れている部分がすくなければ、知覚過敏用の塗り薬での対応が可能です。

※しみる状態が1度で改善しなければ塗り薬を数回塗ることで改善します。

(数回来院が必要な場合があります)

  • 削れている部分が大きい場合は白い詰め物(コンポジットレジン)を充填し硬化させる処置が可能です。その日のうちに治療は終了です。

※食べかすが溜まるのを防ぎ、現状より歯の根元が削れるのを防止できます。

熱いものがしみる〈虫歯危険度3

虫歯を放置し続けていると、熱いものがしみたり痛みを感じたりするようになります。咬んだ時の痛みも感じることがあります。

虫歯の穴も徐々に大きくなり、食べ物がさらに詰まりやすくなってきます。

痛みは数分続くこともあり、症状が出ている時間が長ければ長いほど虫歯の進行は進んでいるといえるでしょう。

【治療】 

歯の神経を取る治療を行う可能性が高くなります。その場合、麻酔をかけて治療します。

神経の炎症がひどい場合は麻酔が効きにくいこともあります。

A:虫歯の部分を削って型取りをして、詰め物で治療完了です(2回で完結)

B:虫歯の部分を削って神経ギリギリのところで神経をのこせるようでしたら、一度削った部分に鎮痛剤などを置いて様子を見ます。それで痛みがでたりしなければ、神経はとらずにすみます。
状態がよければ型取りをして、次回の来院時、詰め物を入れて治療完了となります。

C:虫歯が神経に達する大きさの場合は、神経を取る処置をします。
神経があったところの空洞を数回の通院で消毒(根管治療)します。神経の空洞の汚染がなくなったら、最終的に神経があったところに薬剤を入れます。(根管充填)

その後は咬み合わせの機能回復のため、歯に土台(コア)を作り、最終的には被せる物を入れて終了となります。

※虫歯の状態によってことなります。
※麻酔が必要です。

※詰め物・被せ物は保険(金属)、自費(セラミック)などいろんな種類があります。
※治療期間の目安:2週間〜2ヶ月

噛み合わせると痛みがでる〈虫歯危険度3

痛みにより無意識に偏った噛み方をする、または痩せたり太ったりで顎の筋肉のつき方が変わってきたりで咬み合わせが変わってくると強く力がかかっている歯に痛みが出る場合があります。また虫歯は進行して歯が欠けることもあります。

歯自体にでる痛み、歯の根っこあたりでうずく痛み、顎の関節の痛みなど、痛みの種類はさまざまです。

【治療】

A:歯自体に痛みがある場合
虫歯の状態により治療を行います。神経を残せる治療、神経をとる治療など。

(歯と歯が触れただけの強い痛みの場合は歯が割れている可能性もあります)

B:歯の根っこあたりでうずく痛みがある場合
噛み合わせからくる痛みで歯の根っこあたりに痛みを感じる時は、歯の根っこの周りに炎症がおきている可能性があります。レントゲン撮影などを行い、状態によっては歯の神経をとる治療になる場合があります。

また以前神経を取った部分に再感染が起きている時も歯の根っこの部分に痛みがある場合があります。歯の根っこの歯茎の部分におでき(フィステル)のようなものができることもあります。

C:顎の関節の痛みがある場合
歯の痛みではなく、噛んだとき顎の痛みがある場合は顎関節の治療が必要になる場合があります。
症状によっては噛み合わせの調整で治ることもありますし、長期間にわたる顎関節の治療になる場合もあります。

※数回の通院が必要です。
※治療期間の目安:数週間~

大きな穴があき、歯が欠ける〈虫歯危険度2~3〉

虫歯がさらに進行すると、小さな穴から大きな穴へと広がり、歯の原型がなくなってしまいます。

見た目は小さな穴に見えても、そのまま歯の深部へ虫歯が進行した場合には歯の内部で虫歯が広がってしまい、ごっそりと欠けてしまう事があります。

また歯が欠けて、欠けた部分が鋭利な状態になっていると頬や舌を傷つけてしまったり、食べにくい状態にもなり歯以外にも悪影響が広がります。

【治療】

歯の欠けている大きさでも処置は異なります。

A:虫歯の部分を削って神経を残せるようでしたら、型取りをして、詰め物で治療完了です(2回で完結)

B:虫歯の部分を削って神経ギリギリのところで神経をのこせるようでしたら、一度削った部分に鎮痛剤などを置いて様子を見ます。それで痛みがでたりしなければ、神経はとらずにすみます。
状態がよければ型取りをして、次回の来院時、詰め物を入れて治療完了となります。

C:虫歯が神経に達する大きさの場合は、神経を取る処置をします。
神経があったところの空洞を数回の通院で消毒(根管治療)します。神経の空洞の汚染がなくなったら、最終的に神経があったところに薬剤を入れます。(根管充填)

その後は咬み合わせの機能回復のため、歯に土台(コア)を作り、最終的には被せる物を入れて終了となります。

※虫歯の状態によってことなります。
※麻酔が必要です。

※詰め物・被せ物は保険(金属)、自費(セラミック)などいろんな種類があります。
※治療期間の目安:2週間〜2ヶ月

虫歯が神経まで達して激痛がおこる〈虫歯危険度4

冷たいものや熱いもの、噛んだ時の痛みなどすべてが合わさって激痛が起こっている場合は歯の神経に炎症が起こっている場合が多いです。

一時的に、冷たいものや熱いものなどで痛みを感じなくなる事もあり、「治ったのかな?」と思いがちですが、一度虫歯になった歯は小さなものは別として自然に治ることはありません。

虫歯が神経まで達した時は、今までには経験したことのないような痛みがあり、痛み止めを飲んでも効かないほどとも言われています。

また、よくある話ですが、そういう時に限って休日で歯科医院が閉まっていたり、深夜遅くに痛みが出始めたりすると、薬も効かない状態で痛みを堪えなくてはなりません。

【治療】

A:虫歯が神経に達する大きさの場合は、神経を取る処置をします。
神経があったところの空洞を数回の通院で消毒(根管治療)します。神経の空洞の汚染がなくなったら、最終的に神経があったところに薬剤を入れます。(根管充填)

その後は咬み合わせの機能回復のため、歯に土台(コア)を作り、最終的には被せる物を入れて終了となります。

B:虫歯が大きく歯の形状がない場合は、抜歯することもあります。
抜歯後は、①ブリッジ、②インプラント、③入れ歯などの治療になります。

※虫歯の状態によってことなります。
※麻酔が必要です。
※長期間の通院が必要です。
※治療期間の目安:2ヶ月〜

気づかない間に顎の骨の中に膿が溜まる〈虫歯危険度5

痛みが全く出ない状態で虫歯が進行し、顎の中に膿が溜まってしまうことがあります。

神経に達した時に痛みを感じるものの、神経が「壊死」を起こすまで痛みがあったり、なかったりするので、我慢してしまうことがあります。そのまま放置して神経が壊死してしまうと痛みは感じなくなりますが、虫歯はさらに進行していきます。

そして虫歯菌が歯の神経の中で繁殖し、歯の周りの骨にまで感染を起こし、膿が溜まるのです。

【治療】

A:膿を取り除くために神経があった部分を綺麗な状態にする治療をします。
膿のたまった神経の管を消毒するために数回通院し、神経の管に薬剤を入れるなど治療には数ヶ月必要です。

B:虫歯が大きく、膿の状態が改善しないと診断された場合は、抜歯をすることもあります。
抜歯後は①ブリッジ、②インプラント、③入れ歯などの治療になります。

※治療内容は、虫歯の状態、歯科医師の判断によってことなります。
※長期間の通院が必要です。
※治療期間の目安:2ヶ月〜

肩こりや疲労感など全身に影響を及ぼす

虫歯を放置することで状態が悪化すると、肩こりや首の疲れなどの疲労感を感じることがあると言われています。全身の健康の状態にも影響します。

虫歯が直接関係していることもありますが、多くは虫歯による痛みによるストレスや、噛み合わせのバランスが崩れることなどから症状がでることが考えられています。

まとめ

痛みはあるがすぐに治まる、たまに痛みがでてくるなどの症状がある人でも虫歯危険度に関係なく早めに歯科医院を受診しましょう。

虫歯は症状がでていなくても、進行していきますので、次に痛みがでた時は前回よりも悪化していることが考えられます。症状を何度も繰り返している人は、神経まで達している大きな虫歯になっている可能性もあります。放置する期間が長いほど、治療の期間、費用もかかってしまいます。

不安だなと思ったら早めに受診することで、治療も早く終えることができます。

記事監修

小野澤 彰/歯科医師

小野澤 彰

歯科医師・AOBIデンタルクリニック院長

  • 1996年 東京歯科大学卒業
  • 1996~1998年 東京医科歯科大学研修医
  • 1998~2002年 都内歯科医院勤務
  • 2002年4月1日 歯科オノザワ開院
  • 2024年5月1日 AOBIデンタルクリニックに改称

詳細プロフィール

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