赤ちゃんに虫歯がうつる!うつさないために知っておくべき4つのこと

「虫歯が赤ちゃんにうつる」と聞いて不安になる方も多いのではないでしょうか。

虫歯の経験があるお母さんほど、「わが子をむし歯にしたくない…」と思いますよね。虫歯は虫歯の原因菌による感染症です。虫歯菌を持った人の唾液(ツバ)から感染してしまうのです。

そこで今回は、むし歯がどのようにしてうつるのか、赤ちゃんにむし歯をうつさないための予防法をお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。

この記事のポイント

  • どのように赤ちゃんに虫歯がうつるのか
  • 虫歯は遺伝するの?
  • 赤ちゃんに虫歯がうつらないようにする予防法

目次

どのように赤ちゃんに虫歯がうつるのか?

虫歯ではなく「虫歯菌」がうつる

「赤ちゃんに虫歯がうつる」ということは広く知られるようになってきていますが、正確には虫歯‟菌“がうつるのです。

もともと赤ちゃんのお口の中には虫歯の原因菌はいません。

赤ちゃんのお口の中に虫歯菌が感染することから、はじまります。

そして虫歯菌が感染したあと、食べ物や飲み物の食習慣や歯みがき習慣などによって、虫歯菌の数が増加して、むし歯になりやすい状態になるのです。

唾液から感染する

虫歯菌は唾液を介してうつると言われています。

お口の中にむし歯菌が住み着いている人が噛み与えやスプーン・食器などを共有したりすることによって、虫歯菌が赤ちゃんのお口にうつってしましまいます。

キスで感染する?

結論キスをすると口の中の細菌は一時的に相手の口に移動しますが定着することはほとんどないという報告がされています。ですが、抵抗力がまだ弱い赤ちゃんの口にキスをするのはあまりおすすめできません。

ですが頬にキスをしたり、スキンシップをする分にはうつることはありません。

過度に過敏になりすぎでスキンシップをしない方がかえってストレスの原因にもなりますので、まずは保育者のお口の中を清潔に保つことを心掛けましょう。

いちばん多いのは家族内感染

虫歯菌感染は基本的には家族内感染です。

お母さんだけでなく、家族みんなからうつる可能性があります。

ただ、赤ちゃんにとって最も身近なお母さんからうつる可能性が高いため、一般的に「母子伝播」と表現されています。

保育者のお口の中の虫歯菌が多ければ多いほど、感染の機会が多ければ多いほど、うつりやすいと言われています。

むし歯は感染しても発症するとは限らない

むし歯は、むし歯菌がうつることにより感染症としてスタートしますが、細菌に感染だけで発病するわけではありません。

むし歯菌の存在に加えて間食や歯磨きの習慣など、生活習慣が関わってはじめて発病します。

赤ちゃんはいつから虫歯になるのか

乳歯が生え始める生後6か月くらいから、虫歯菌が住みつく可能性があります。

1本でも歯が生えてきたら、歯磨き習慣を少しずつつけていきましょう。

詳しくはこちら→赤ちゃんに初めての歯ブラシ!選び方と注意点

虫歯は遺伝するのか

虫歯のなりやすさは遺伝する

虫歯自体は遺伝しませんが、むし歯のなりやすさは遺伝するともいえます。

歯並びの影響による歯磨きのしにくさ、歯の質や歯を守る唾液の質や量などの遺伝的な要因はあります。

虫歯と生活習慣の関係

虫歯菌が多ければ多いほど虫歯になりやすく、お砂糖を含むジュースやおやつをダラダラ食いしたり、歯みがきがきちんとできていないと虫歯になりやすくなります。

ですので、ご家族の方でダラダラ食いの習慣がある場合、きちんとした歯みがき習慣がされていない場合はそれがお子さんに引き継がれる可能性があります。食べる時間を決めるなど家族みんなで良い習慣を身につけていくことが大切です。

赤ちゃんに虫歯菌がうつりやすい時期

乳歯の奥歯が生えてくる1歳半頃から3歳頃が一番感染しやすい時期だと言われています。

生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中にはむし歯菌はいません。

虫歯菌は歯の硬い面に住み着くという特徴があり、大きくて溝が深い奥歯が生えるこの時期は特に気を付けてあげましょう。

また、2歳までに感染した場合、その後の虫歯になりやすさが高くなるとも言われています。

そして、むし歯菌の感染時期が遅ければ遅いほど、虫歯になりにくい体質になります。

まずは2歳までに感染させないことがポイントです。

赤ちゃんにむし歯菌を感染させないための予防法

むし歯菌の感染を防ぐためには周りの大人が気を付けることと、赤ちゃんにしてあげることのふたつがあります。

まわりの大人にできること

子どもと同じスプーンやおはしを共有しない、噛み与えをしない

唾液を介して赤ちゃんのお口の中にむし歯菌が入るのを防ぎましょう。

キスなどのスキンシップもむし歯菌が多い家族が毎日行っているとむし歯菌をうつしてしまう可能性はあります。食器、カトラリー類は赤ちゃん専用のものを使用し、熱いものを冷ます際にふぅーっと息をかけてしまうのも、リスクがあるため避けたほうが良いでしょう。

歯科医院で歯のクリーニングを定期的に受ける

虫歯が現在あるとさらにうつりやすいと言われているので、虫歯があればまず治療をしましょう。そして、お口の中の虫歯菌の量を減らすために歯のクリーニングを定期的に受けましょう。

お母さんだけでなく、赤ちゃんと接する周りの家族みんなが受けるのが理想的です。

むし歯菌の量を調べる

むし歯菌の量が多ければ多いほど、赤ちゃんのむし歯菌感染の可能性が高くなります。

お母さんや家族のむし歯菌がどのくらいいるのはを歯医者さんで調べてもらい、うつりやすさをは分かっておくのも大切です。

また、むし歯菌が多かった場合でも、キシリトールガムを食べることで感染しにくくなったという研究結果もあります。

キシリトールガムの効果については【歯科専用のキシリトールガムは効果大/市販品との違いは?】をご覧ください。

赤ちゃんにしてあげること

砂糖が入った食べ物や飲み物を与える時期を考える

お口の中に砂糖がある状態だと、虫歯菌がお口の中に入ってきたときに、歯の表面に住み着きやすくなってしまいます。

砂糖の入った甘いおやつやジュースなどはできるだけ早期に与えるのは控えましょう。

丁寧に歯磨きをする

丁寧に歯磨きをしてお口の中のきれいを保つことは基本です。

また、食後は磨くという習慣を身につけることも大切です。

まとめ

虫歯自体はうつるものではありません。虫歯は「感染症」であり、「生活習慣病」で「虫歯の菌」が感染するものです。そして、予防することによって防げる病気だということもわかっています。乳歯はどうせ抜けてしまうからと思ってしまうのは危険です。

できるだけ早期に虫歯菌に感染しないように取り組み、良い食習慣・良い歯磨き習慣を行うことで赤ちゃんの大切な歯を虫歯から守りましょう。

記事監修

小野澤 彰/歯科医師

小野澤 彰

歯科医師・AOBIデンタルクリニック院長

  • 1996年 東京歯科大学卒業
  • 1996~1998年 東京医科歯科大学研修医
  • 1998~2002年 都内歯科医院勤務
  • 2002年4月1日 歯科オノザワ開院
  • 2024年5月1日 AOBIデンタルクリニックに改称

詳細プロフィール

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