今すぐ歯医者に!虫歯を治療途中に放置したら起きる事

痛みがなくなった、出張や転勤で行けなくなったなど様々な理由があり、歯科医院に行けずに治療途中の虫歯をそのまま放置している方も多いのではないでしょうか。

治療途中の虫歯を放置しておくと、どうなってしまうのでしょうか?

治療段階別にその後の歯の状態や治療期間、治療費なども合わせてまとめてみます。このような状態にある方はなるべく早く歯科医院で治療を再開することをお勧めします。

この記事のポイント

  • 虫歯を治療途中に放置すると歯に何が起こるかがわかる
  • 治療途中の虫歯を放置するとどうなるかがわかる
  • 放置せずにすぐに歯医者さんに行きましょう
目次

虫歯の治療途中に放置すると起こること

小さな詰め物の治療中に放置している場合

型取りをした後、次回詰め物を入れる状態で治療を放置していると、仮に詰め物をしている材料が外れた時に歯がしみるようになります。虫歯の部分は削っているのでその状態では虫歯がありませんが、長くその状態が続くと穴の部分に汚れがたまり、痛みがでてきたり、虫歯になりやすくなってしまいます。

歯は削っている部分が露出していると外部からの刺激への抵抗力も少なくなり、きれいに歯磨きをしていても他の歯よりも虫歯になるリスクが高くなります。仮の詰め物がはずれてしまって、そのままにしていて、痛みやしみるといった症状がでた場合には虫歯が進行している可能性があります。

また、そのまま放置していると両隣りの歯が傾いてきたり、歯茎が盛り上がってきたりして、せっかく型取りをして作った詰め物はもう一度やり直し(型を取り直し)になります。

放置している期間が1ヶ月程度なら、虫歯の再発もなく詰め物をいれることができる場合もありますが、2ヶ月以上経過している場合は、歯の形を修正して、型取りをやり直すことになる場合が多いです。

〈再治療の内容〉
歯の形を修正(削る)→ 再度型取り → 次回来院時に詰め物をする。
痛みがひどくて歯の内部で虫歯が進行している場合は神経を取る治療をすることもあります。
その場合の治療期間の目安は2ヶ月程度です。治療内容が変わりますので、治療費もかかります。

大きな被せ物の治療中に放置している場合

■神経を残す治療途中のケース

大きな被せ物を入れる前に治療を放置してしまうと仮の蓋が外れた時に痛みや風・温度差のあるものはしみてきます。神経を残して治療をしていますので、まだ感覚があります。早く受診すると、新しい被せ物を入れることができるかもしれません。

そのまま放置していると、痛みを感じるばかりか両隣りの歯が傾いてきたり、スキマの部分に歯茎が盛り上がってきたりします。さらに痛みを我慢して、長期間放置していると歯の神経まで虫歯が進行することもあります。

せっかく、歯の神経を残した治療をしているのに、神経を取る治療をすることになってしまうのは残念ですよね・・・

■神経を取った後の状態のケース

神経を取る処置をしたあと、型を取り、仮の歯が入っている状態で放置期間が2か月以内で問題がなければ、そのまま新しい被せ物を入れることができる可能性はあります。(状態にもよりますので、確実ではありません)

仮の蓋が外れてしまい、2ヶ月以上空いている場合は、両隣りの歯が傾いてきたり、歯茎が盛りあがっている可能性があります。そうなるとピッタリした被せ物は入りませんので、もう一度、歯の形を修正して、型取りをやり直すことになるケースが多いです。

また、神経を取る治療をしたのに痛みがでている場合は、歯の根の部分に膿がたまっている可能性も考えられます。その場合は、神経の処置のやり直しになってしまうこともあります。

〈通院の目安〉
仮の蓋が外れて、2ヶ月以上空いていなければ1、2回。
歯の根っこが原因で神経の再処置が必要な場合は、2ヶ月程度(状態により異なります)

歯の神経を取り除く治療中に放置している場合

歯の神経を取る治療は数回の処置が必要となります。「何度か消毒にきてください」と言われている状態で治療を中断した場合、神経はないので痛みが感じることはない場合が多いです。

しかし仮詰めをしている材料が外れたり、仮歯が外れたりすることで歯の神経のある管の中にばい菌が入りやすくなります。そのばい菌が歯の内部で増殖し、顎の骨の近くまで到達すると「膿(うみ)」が溜まる場合があります。

最初は噛むと鈍い痛みがありますが、激痛ではないのでそのままにしがちです。次第に膿の袋が大きくなり、大きく腫れて痛みが出てきます。

〈再治療の内容〉
状態にもよりますが、根の治療は再治療となります。歯の内部にある神経の管が細菌感染を起こしているため、消毒のため治療も数回かかりますし、日数もかかります。
膿の状態や歯がどのくらい残っているかによっては、最悪抜歯になるケースもあります。
そのままの状態では、前後の歯や咬み合わせに悪影響を及ぼし、膿が身体全身にまわると体調にも影響がでてきます。できるだけ早めに治療を再開することをおすすめします。

薬を詰めて様子をみている時の治療中に放置している場合

虫歯治療の途中で「歯の神経近くまで虫歯があるので、本日は薬をつめて様子をみます」とか「薬が効いたら神経を残して治療をしましょう」、「薬が効かないようなら、神経をとる処置をしましょう」などと説明を受けている場合に放置すると、神経近くまであった虫歯が神経に到達してしまい、結局神経を取る治療になる危険度は高いです。

痛みもなく日常的に過ごせていても、少しずつ仮詰めをしている材料が減ってきます。

仮詰めや薬の材料がすり減ってくるとその隙間から細菌が入り込み、噛むと痛みがでたり、熱いものがしみたりと症状がでてきます。

この場合で痛みがでてきたらほとんどが、神経を取る処置になる場合が多いです。

治療途中の虫歯を放置している人に知ってもらいたいこと

最初は痛みがない

ほとんどの場合、治療途中であれば痛みがでない事が多いです。一度できてしまった虫歯は治療をしないと治りませんので、痛みがないから治ったかな、と勝手な判断をして放置していると、どんどん虫歯は進行していきます。

痛みがでてきたら費用も期間もかかる

痛みがでてきてからの再治療は、来院回数や治療費もかかることが想定されます。

場合によっては、途中から再治療ができるケースは少なく、処置を最初からやり直さないと治療が終わらなくなってしまいます。

抜歯の可能性もある

治療途中の歯の放置は、長期間にわたると状態にもよりますが最終的に歯を抜かなくてはいけないケースも高いです。

歯を削っているので通常の健康な歯よりも虫歯にもなりやすく、いろんな刺激も受けやすい状態になっています。

隣の歯、反対の歯にも悪影響

治療途中で放置することで、歯が削れている部分に隣の歯が傾いてきたり、咬む相手の歯が伸びてきてかみ合わせに影響を及ぼすことがあります。

顎の痛みなど全身に悪影響

治療途中だと、仮歯や仮詰めだけの状態なので、しっかりと噛みにくい状態になります。

正常な噛み合わせができない状態だと、顎の痛みを感じたり、肩こりや首の痛みがでてくることも言われています。

そのため、全身への影響が懸念されます。

まとめ

虫歯を治療途中で放置していると、美味しい食事ができなくて、いつも気になっているのではないでしょうか。
また痛みもでると、お仕事や遊びにも集中できず、ストレスが溜まります。それに治療費も通院回数も増えてしまったりと、何一つ良いことはありません。

健康な身体作りには食事が基本です。そのためにしっかり噛めて、美味しく食事を取れるお口の健康を優先して、長期的な身体作りを心がけましょう。
治療途中の歯がある方は、痛みがでる前に再治療を行うことをお勧めします。

記事監修

小野澤 彰/歯科医師

小野澤 彰

歯科医師・AOBIデンタルクリニック院長

  • 1996年 東京歯科大学卒業
  • 1996~1998年 東京医科歯科大学研修医
  • 1998~2002年 都内歯科医院勤務
  • 2002年4月1日 歯科オノザワ開院
  • 2024年5月1日 AOBIデンタルクリニックに改称

詳細プロフィール

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