口臭にもつながる!歯間ブラシが臭い原因と対処法を徹底解説

使った歯間ブラシを臭ってみると臭くて不安になる方も多いのではないでしょうか。

この臭いは、歯と歯の間の歯垢(プラーク)が原因のものもあれば、虫歯や歯周病が原因の場合もあります。そのまま放置しておくと、口臭がひどくなるだけでなく、最終的に歯を失う可能性もあるのです。

そこで今回は、臭いの原因と正しい歯間ブラシの使い方を解説します。ぜひ参考にしてください。

この記事のポイント

  • 歯間ブラシのにおいの原因がわかる
  • 歯間ブラシが臭い時の対処法がわかる
  • 歯間ブラシの効果的な使い方がわかる

目次

歯間ブラシとは

歯間ブラシは、歯ブラシでは取りきれない歯と歯の間の汚れを取り除くための補助的なもので、特に歯並びで隙間が広くある方や、歯肉が痩せてしまい物が詰まりやすい方などにとてもおすすめの清掃用具です。

デンタルフロスと歯間ブラシは汚れの取れる部分が異なるため、それぞれ違う役割があります。

歯間ブラシの臭いの原因

磨き残し

まず、一番多いのは磨き残した歯垢(プラーク)が同じ場所に長く停滞していることで、汚れが発酵して細菌が臭いをだすという場合が多いです。

3~5日ほどで細菌は繁殖していきますので、磨き残し(下の写真のように)が多ければ多いほど、臭いが増すことになります。

食物残渣(しょくもつざんさ)

磨き残しとは異なり、食べ物が挟まった状態で数日経過している場合も臭いの原因になります。

例えば、歯と歯の間に、鶏肉などの繊維性の食材が挟まったままの状態が続いていたり、ゴマや魚卵などの固形物が歯の間に残っている状態が続いていたりすると、いわゆる腐敗した状態になるため、歯間ブラシを通した時に腐ったような臭いがする場合があります。

最初は食べ物が挟まると違和感を覚えますが、時間が経つと慣れてしまい違和感がなくなってしまいそのまま放置してしまっているというケースもよくあります。

時間が経った歯垢、歯石(プラーク)

歯と歯の間のケアをしておらず、歯の間に汚れが長期間停滞していると汚れの中の細菌が繁殖して、細菌の膜を作ります。

その膜の中で細菌はどんどん繁殖し、細菌の毒素によって臭いの原因が発生している場合があります。普段、歯と歯の間のお掃除をしておらず、歯科医院で歯間ブラシを通してもらったら、自分でもわかるほどの臭いがしたような経験のある方は、古い汚れが原因の場合があります。

歯ブラシでは取りきれない歯と歯の間の汚れの中で細菌が増殖し知らず知らずの間に臭いの原因になっていることもあります。

虫歯

歯間ブラシを通していて、臭いがする場合で虫歯になっているケースもあります。

歯の間が虫歯になり穴が空いていると、その穴の部分で汚れがたまりやすくなります。

穴の中に入り込んだ汚れは歯ブラシだけでは取り除くことができず、食物残渣などは発酵して臭いの原因にもありますし、虫歯を進行させる原因にもなります。特に詰め物や被せ物の下にできた二次的な虫歯は、自分では気づきにくく外れてから初めて気づくことも多いです。そのため定期的な検診の際に、レントゲン写真を撮ってチェックすることもとても大切といえます。

★元の記事だと歯周病のところにデンタル写真がついていますが、この写真は虫歯のケースなので移動をお願いします。

歯周病

歯周病の場合は歯肉の溝の中に汚れがたまり、さらに強い臭いを感じることがあります。

歯周病菌には臭いの原因となる毒素をだす細菌もあり、歯肉が腫れていたり、いつも歯磨きで出血するような場合は、このケースが考えられます。

ブリッジ(被せ物)

ブリッジという歯と歯を繋げてかぶせる被せ物をしている場合は、被せの繋がりの部分に汚れがたまりやすく臭いの原因になることがあります。

ブリッジ以外の被せ物でも、歯とかぶせの境目などに汚れがたまりやすくなっている場合は、歯間ブラシを通した時に臭いがする場合もあります。

歯間ブラシが臭い時の対処法

正しい使い方をマスターして歯垢を効率的に落とす

歯間ブラシの臭いを取るためには、まずは正しい使い方できちんと汚れを取り除けるようになることからです。

自己流では取り残しが出やすいので、歯間ブラシの正しい使い方を歯科衛生士からアドバイスをもらいましょう。

歯間ブラシ使い方について、詳しくは「歯科衛生士が教える!歯間ブラシの正しい使い方」をご覧ください。

自分にあったサイズを選択する

臭いの原因となる汚れを取り除くには、自分の歯と歯の隙間のサイズにあった歯間ブラシを選択することも大切です。

サイズの合わないブラシを使っていると汚れの取り残しにもなりますし、歯肉を傷つけてしまうこともあります。

歯間ブラシ使い方について、詳しくは「歯科衛生士が紹介!おすすめの歯間ブラシと選び方」をご覧ください。

使う頻度を決める

臭いが気になる場合は、使う頻度が少ない場合もありますので、朝食後と就寝前の歯磨きの際には歯間ブラシを毎回通すようにすると、古い汚れ(プラーク)がたまることもなくなります。

虫歯や歯周病の治療をする

虫歯や歯周病が原因の場合は、原因となっている虫歯や歯周病の治療をうけることが最優先です。

歯間ブラシの効果的な使い方

普段から歯間ブラシを使用しておらず、歯の間の臭いが気になるという方は、歯間ブラシは毎食後に使用するのが理想です。

もちろん、外出先では使いにくいということもありますので、その場合は、1日1回は使用することを決められると良いでしょう。

1日の中でも夜寝ている時間がお口の中の細菌が繁殖しやすい時間なので、夜寝る前の歯磨きの時に歯間ブラシを使用することをおすすめします。

歯間ブラシの保管方法

歯間ブラシは商品によっては、1~2週間繰り返し使えるものもありますが、衛生的に保管していおくことが大切です。

臭いの原因は細菌の繁殖でもあるため、歯間ブラシの雑菌が繁殖しないように、よく乾燥させ、ブラシの部分を上に向けて通気性の良い場所で保管しましょう。

お風呂場などの湿気の多い場所はさけ、使用後は水分を十分に拭き取り清潔に保管しましょう。

まとめ

歯間ブラシを通した時に臭うのは、時間が経った歯垢、歯石や食物残渣などが主な原因ですが、虫歯や歯周病が原因の場合もありますので、自己判断をしないで、気になったらすぐに歯科医院に相談することをお勧めします。

歯科医院では、痛みがなくても穴が空いていなくても、歯肉の腫れや歯間ブラシの使い方だけでもアドバイスを行っている医院もありますので、健康意識の高い方こそ、気軽に歯科医院で相談をしてみてください。

歯間ブラシで臭いが気になる時は、むやみにゴシゴシと強く動かしたりせずに、何が原因で臭いがしているのかを歯科医院でみてもらいましょう。

記事監修

小野澤 彰/歯科医師

小野澤 彰

歯科医師・AOBIデンタルクリニック院長

  • 1996年 東京歯科大学卒業
  • 1996~1998年 東京医科歯科大学研修医
  • 1998~2002年 都内歯科医院勤務
  • 2002年4月1日 歯科オノザワ開院
  • 2024年5月1日 AOBIデンタルクリニックに改称

詳細プロフィール

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