大人は当たり前のように使っている歯磨き粉。子どもには何を使ったらいいのかな?大人と同じ歯磨き粉でいいのかな??なんて疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は子どもの歯磨き粉はなんでもいい訳ではありません。選び方によっては大切なお子さんの歯が傷だらけ!逆に虫歯になりやすくなってしまうことも…。
今回は子供用の歯磨き粉の正しい選び方、使い方をお伝えします。是非、参考にしてみてください。
この記事のポイント
- 子どもに良い歯磨きを選ぶ5つのポイント
- 歯科衛生士オススメの歯磨き粉
- 歯磨き粉の効果的な使い方
子どもに良い歯磨き粉を選ぶ5つのポイント
- お子さんの好みに合わせましょう。
- フッ素入りの歯磨き粉を選びましょう
- 顆粒の入っている歯磨き粉は避けましょう
- 研磨剤が沢山入っているものは避けましょう
- 泡立ちの良いものは避けましょう
- 子どもの歯磨き粉の効果とその重要性
効率良く歯垢(プラーク)を取り除く
歯磨き粉は色々な効果・効用がありますが、その基本機能は歯垢(プラーク)の除去です。
歯垢(プラーク)をつきにくくする
歯磨き粉を使用して歯を磨いた時の方が、24時間後の歯垢(プラーク)の付き方が1/3以下になります
ステイン(歯の着色汚れ)を取り除く
食べ物、飲み物の中に含まれる色素などによるステイン(歯の着色汚れ)を取り除き
本来の歯の色を保ちます。
口臭を除去、防止する
歯磨き粉を使用し、口の中全体を清潔にすることによって、効果的に口臭の除去、防止が
でき、爽快感が得られます。
フッ素が入っているかどうかの見分け方
歯磨き粉のチューブの裏には必ず「成分」という欄があります。
そのなかに、いくつかの[基本成分]と[薬効成分]が記載されています。
お子さんの歯磨き粉を選ぶときは[薬効成分]に注目してください。
虫歯予防効果のある《モノフルオロリン酸ナトリウム》、《フッ化ナトリウム》の入っているものを選びましょう。ただし、市販されているチューブタイプの歯磨き粉の約90%はフッ化物が配合されておりますので、みなさんも知らず知らずのうちに使っていると思います。
モノフルオロリン酸ナトリウムとフッ化ナトリウムの違い
2つの働き方には違いがあり、フッ化ナトリウムはフッ素イオンが歯に直接作用しますが、モノフルオロリン酸ナトリウムは唾液で分解することで作用します。
フッ化ナトリウムが配合されている歯磨き粉の方が、歯を強くする効果が高いといわれています。ただし、モノフルオロリン酸ナトリウムは、歯の奥深くまで浸透する効果があるため、健全な歯に対してはフッ化ナトリウムが配合されている歯磨き粉を使い、虫歯がある場合や虫歯を治療したばかり歯などにはモノフルオロリン酸ナトリウムが配合されている歯磨き粉を使うといいでしょう。
(歯磨き粉の価格もフッ化ナトリウムが配合されている方が、モノフルオロリン酸ナトリウムが配合された歯磨き粉より高い場合が多いです)
モノフルオロリン酸ナトリウム | フッ化ナトリウム | |
---|---|---|
働き方 | 唾液で分解することで作用 | フッ素イオンが歯に直接作用 |
対象 | 虫歯や治療痕がある歯 | 健全な歯 |
値段 | やや低い | やや高い |
以前まで、フッ素濃度の目安は3歳頃まではNaFで500ppm、6歳頃まではNaF500ppm、MFP1000ppmの歯磨き粉を選ぶとよいとされてきました。しかし最近の学会発表にて「1000ppm~1500ppmを量を調整しながら、子どものうちから使用しても問題ない」と発表され2023年1月に指針が改定されました。
(参考文献:日本小児歯科学会 | 「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法について」4学会(日本小児歯科学会・日本口腔衛生学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会)合同の提言が発表されました。 (jspd.or.jp))
歯科衛生士が教えるオススメの子供用歯磨き粉
クリニカKid’sジェルハミガキ
ジェルタイプなので透明で綺麗なカラーペースト。あまり泡立ちせず磨いてる歯が見えやすく仕上げ磨きがしやすいタイプです。
比較的ドラックストアで取り扱いのある商品なので手に取りやすいのも魅力です。
フッ化ナトリウム配合で研磨剤の粒度(荒らさ)0.01μm以下の超微粒子、歯を傷つけにくい低研磨性となっていますので、何歳からでも安心してお使いいただけます。
販売元:ライオン
参考価格:294円
Check-Up kodomo
お口の中のすみずみまで広がりやすいソフトペーストタイプ。泡立ちが少ないので磨きやすいです。
☆フッ化ナトリウム配合(950ppmF)で安心の低研磨性です。細口タイプなので、歯ブラシと同じ長さに出して使用をお勧めします。
販売元:ライオン
参考価格:249円
ピカキッズ 株式会社サンギ
研磨剤無配合歯磨き粉(ナノ粒子ハイドロキシアパタイト配合)
フッ素は入っていませんが。歯に必要なミネラルがたっぷり入っているので、フッ素入り歯磨き粉と同等の効果があります。
市販の歯磨き粉には荒い研磨剤が入っていたり、荒い顆粒がたっぷり入っていたりするものがあり、それを使うことにより柔らかい乳歯や、生えたての柔らかい永久歯は傷だらけになり、着色汚れがついたり虫歯菌が付着しやすくなり、悪影響を起こすといわれています。そこで注目されているのが、ナノ粒子ハイドロキシアパタイト配合の歯磨き粉が注目されています。
(ナノ粒子ハイドロキシアパタイトとはリン酸カルシウムから出来ている歯や骨の主成分です)
≪3つの効果≫
(1)歯磨き時に歯垢(プラーク)にからみついて、歯の表面からはがしやすくする
(2)歯の表面のエナメル質にできたミクロの傷を埋めてなめらかにする
(3)歯から溶けだした(脱灰した)ミネラル成分を補って再石灰化させる
MIペースト
豊富なミネラル(カルシウム、リン)や口腔内環境の中和作用と緩衝作用をもつCPP-ACP(リカルデント)を含んでおり歯の強化に効果があります。味が非常に美味しいので歯磨き粉嫌いなお子さんはぜひ試してみてください。
牛乳由来成分(カゼイン)及びパラベンが含まれておりますので、牛乳由来成分(カゼイン)及びパラベンに対してアレルギーを持つ方は使用しないでください
販売元:株式会社ジーシー
参考価格:1,488円
歯磨き粉の効果的な使い方
≪イエテボリ法≫
フッ化物配合の歯磨き粉による虫歯予防作用を高める為には、歯磨き終了後に歯の石灰化の促進に必要なフッ化物ができるだけ長い時間、お口の中に保持されなければなりません。
虫歯予防で有名なスウェーデンのイエテボリ大学というところで発案された歯磨き法です。
- 歯ブラシに2㎝の歯磨き粉をつける。(3~6歳未満は5㎜、6~12歳は1㎝が目安)
- 歯磨き粉を歯面全体に広げる
- 2分間磨く(特に方法はこだわらない)
- 歯磨き粉による泡立ちを保つ(途中で吐き出さない)
- 口に溜まった歯磨き粉を吐き出さずに10mlの水を口に含む
- そのまま30秒間ブクブクうがいを続ける
- その後吐き出し、それ以上口はゆすがない。
- その後最低2時間は飲食をしない。
まとめ
歯磨き粉を正しく選択することにより、歯磨きが楽になり、お子さんのモチベーションアップにもつながります。
さらに正しく使うことにより虫歯の予防効果もかなりアップします。た
だどんなに優れた歯磨き粉でも、お子さんが苦手な味では歯磨きの時間が短くなってしまう、嫌がってしまう等逆効果です。味の好みやキャラクターデザインで選んでみてもいいですし、数種類用意してその日の気分によって使い分けてみたり・・・お子さんと一緒に選んで楽しい歯磨きタイムをお過ごしくださいね。
歯磨き粉を正しく選んで使っただけでは完全に虫歯を防ぐことはできません。歯科医院での定期健診、専門家によるクリーニング、自分にあった歯ブラシ、デンタルフロス、キシリトールなども取り入れることも必要です。
まずは歯科医院にいき、予防のスペシャリストの歯科衛生士に相談してみてはいかがでしょうか?