歯科衛生士が教える歯磨き方法!時間/回数/タイミング

自分はお口のセルフケアがちゃんとできている!と自信をもって言える方は少ないのではないでしょうか。

毎日歯磨きしているつもりなのに虫歯が出来てしまう、口臭が気になる、舌で触ると歯がザラザラするなど、磨いているのに磨けていないと感じている方は間違った歯磨きをしているかもしれません。

歯磨きはそんなに難しいものではなく、コツさえつかめば短時間で効率よくきれいに磨くことができます。

そこで、今回は歯科衛生士が実践している方法もあわせて正しい歯磨きのポイントを紹介します。ぜひ、参考にしてください。

目次

歯科衛生士が実践している歯磨きの6つのポイント(時間/回数/タイミング)

磨いているのと磨けているのは、似ているようで違います。

正しく磨くための大切なポイントをまずはチェックしてみてください。

順番を決めて磨く

一番大切なのは、順番を決めて磨くことです。順番通りに磨いていけば効率よく磨き残すことが少なくなります。

長く時間をかけて磨いたとしても歯ブラシが当たっていない場所があれば、その場所は磨けていないことになりますね。人によって磨きやすいところ、磨きにくいところがわかれます。
そのため、時間をかけることよりの大切なのは順番を決めることです。

つい前歯から、奥歯からと磨きやすい場所から磨き始めてしまいますが、順番を決めましょう。

右利きの人は、
右下奥歯の頬側から順番に前歯、そのまま左の頬側を磨きます。
左下奥歯まで磨いたら左下奥歯の舌側を磨き、前歯の裏、右下の舌側へと進みます。
そして、右上の頬側から、上の前歯へ磨き進み、左上の頬側を磨き、そのまま左上の奥歯裏側を磨き、上の前歯の裏側へ磨き進み、右上奥歯裏側まで磨きます。
最後に、上下の噛み合わせの部分も磨いてこれで全て磨けますね。

左利きの人は左からと順番を決めると磨き残しがなくなります。

必ずこの順番ということではありませんが、一筆書きで磨いてご自身で覚えやすく手を動かしやすい事をポイントに決めてみてください。

歯磨きのタイミング

歯磨きのベストなタイミングは起床時、朝食後、昼食後、夕食後、就寝前です。

歯磨きの基本は、“食べたら磨く”です。

そこに加えて起床時はお口の中に細菌が増えているため、朝食前にうがいをしたり、軽く歯磨きをしてお口の中の細菌を減らす目的で磨くといいでしょう。
日中に歯磨きができない方は、特に夕食後と就寝前に歯磨きをすることをお勧めします。

お口の中の汚れや細菌が増殖するのは、眠っている間です。

1日中歯磨きができなかった場合は、せめて就寝前には磨くように意識してみてください。

歯磨きの時間は平均10分くらい

時間は全体で測るのではなく、1本づつ回数を決めます。1本磨くのに、歯ブラシを20回動かします。そうするとかなり時間がかかってしまいますので、2本同時に20回動かします。

そうすると、およそ、2本につき10秒として頬側と舌側で20秒かかります。
成人は歯が28本あるので、28×20秒=560(930)噛み合わせの部分を含めておよそ10分くらいの計算になります。

ただし、10分磨いても同じ場所ばかりを磨き続けていたらきれいになるのは一部分だけですよね。
そのため、まずは磨く順番を決めて全体をしっかり磨くことが大事です。そしておおよその時間を把握すると良いです。

朝の準備の時間はなかなかゆっくり磨くことができないと思います。

夜はお風呂に入りながらなど、ながら磨きをすると時間をかけてしっかり磨けるのでおすすめです。

歯だけじゃなく歯肉や舌も磨く

口の中の細菌の塊である歯垢(プラーク)は歯に付着する以外にも、歯肉の溝の中や舌にもたまります。

歯を磨いた後には、歯と歯肉の境目や舌磨きも一緒に行うことで、さらにきれいなお口の環境を整えることができます。

歯間ブラシやデンタルフロスも使う

フロスは日常的に使えるように習慣をつけましょう。1日1回はフロスで汚れを取り除くことで予防効果が期待できます。

被せ物をしている人は、歯ブラシでは届かない部位に汚れがたまります。

歯間ブラシを使って、汚れを取り除くことで被せ物が長持ちする環境を作りましょう。

正しい歯磨き方法の基本

歯ブラシの持ち方

歯ブラシは適正な力で動かせるように、筆記用具を持つときと同じような握り方「ペングリップ」で握ります。

力の入れ具合は、ブラシの毛先が歯と歯の間に留まる程度で、開きすぎてもダメ、歯と歯の間に入っていないのもダメです。

歯ブラシの当て方・動かし方

大きく強く動かすと歯と歯の間にブラシの毛先が届かず、磨き残しが多くなります。

また、歯ぐきが磨り減りをおこして歯ぐきが下がったり、歯が削れる原因にもなりますので、歯を2本づつ磨くことを意識して
動かしてみてください。

奥歯:歯ブラシの全面を使用して2本づつ磨くように動かします。
前歯:歯ブラシを縦にして1本づつ磨きます。前歯の裏側は歯ブラシを縦にしてかかとの部分を使用して磨く歯と歯ぐきの境目:歯ブラシのわきの部分を使用して磨く。

磨く順番

大切なのは、磨く順番です。どこから磨いてもいいですが、上や下を適当に磨くのではなく、ひと筆で磨けるように工夫して磨いていきましょう。

嘔吐反射などで歯磨きが苦手な方は、下の舌側が一番辛いので、まずはそこから磨いていくと良いでしょう。

歯垢(磨き残し)が多い場所

磨き残しの多い部位は、大きく分けて3箇所あります。歯ブラシを当てる時に3つの部位を意識しながら磨くと良いでしょう。

1:歯と歯の間
2:歯と歯ぐきの境目
3:奥歯の噛み合う面

歯ブラシ交換の時期

歯ブラシの毛先が開いていたら交換時期です。また、最低でも1ヶ月に1回は交換するようにしましょう。

歯磨きの時、力強く磨いている人や柔らかめの毛の歯ブラシを使っている人は早めに毛先が開いてきますので、注意が必要です。

歯磨き粉の選び方

研磨剤が少ないもの選ぶ

歯磨き粉に使用される研磨剤は、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等です。

全く配合されていないものもありますが、歯みがきは歯を削ることが目的ではありませんので、過度に研磨剤が配合されているものは注意が必要です。

薬用成分が配合されているものを選ぶ

虫歯予防か歯周病予防かによって、薬用成分が異なります。自分にあった成分が入っている歯みがき粉を選ぶと良いでしょう。

虫歯予防でよく使われる成分:フッ化物(フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズ)
歯周病予防でよく使われる成分:クロルヘキシジン、塩化ナトリウム、塩化リゾチーム

歯みがき粉の使用量

フッ素配合の歯みがき粉を使用する場合は、歯ブラシに2cmほどの歯磨き粉を使用しましょう。

多く使用することでお口の中にフッ素が停滞します。フッ素は虫歯予防効果が期待できる成分です。

※フッ素をできるだけお口の中に高濃度で作用させるためには、歯ブラシを濡らさずに使用することをお勧めします。
歯ブラシを濡らした時に、フッ素の濃度が薄まってしまうからです。

虫歯予防の歯磨き粉の選び方について、詳しくは【虫歯予防に効果的な歯磨き粉はどれ?選び方とオススメを紹介】をご覧ください。

自分に合った歯ブラシ選びを

せっかく正しい歯磨き習慣を身につけても、自分に合っていない歯ブラシを使用していると磨く時間がかかってしまったり、磨き残しができたりしてしまいます。

自分のお口の状態に合った歯ブラシの選び方は、担当の歯科衛生士に相談してみてください。

歯ブラシの選び方について、詳しくは【歯科衛生士が選ぶ!おすすめ歯ブラシと選び方を目的別に解説】をご覧ください。

まとめ

正しい歯磨きの方法を知ることで、効率よくお口の環境を整えることができます。

同じ時間をかけて歯磨きをしているのなら、きれいになった方がいいですよね。そのためにも正しい磨き方と補助的な清掃用具の活用、自分にあった歯ブラシ選びができることも大切な要素です。

そしてなるべく効率よく磨けるように目安の時間を決めておくとよいでしょう。お子さんの場合も同様です。

時間や回数に捉われず、まずは磨く順番を決めることから始めてみてください。それだけでも、きっと磨き残しが減るでしょう。

記事監修

小野澤 彰/歯科医師

小野澤 彰

歯科医師・AOBIデンタルクリニック院長

  • 1996年 東京歯科大学卒業
  • 1996~1998年 東京医科歯科大学研修医
  • 1998~2002年 都内歯科医院勤務
  • 2002年4月1日 歯科オノザワ開院
  • 2024年5月1日 AOBIデンタルクリニックに改称

詳細プロフィール

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