口内炎がお口の中に出来て痛くて食事がしづらいなどの辛い経験をした方も多いのではないでしょうか?
むしろ、一度も口内炎になったことはないという方のほうが珍しいかもしれません。
口内炎の原因や出来る過程は、実はまだよくわかっていません。
症状を和らげたり、治癒力を高めたりできるように、口内炎の種類や口内炎ができた時のきっかけや体調などに応じて対応できる事を列記しました。
今回はあらゆる口内炎の原因と早く治す方法をお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。
この記事のポイント
- 口内炎ができる理由がわかる
- 口内炎の種類がわかる
- 口内炎を早く治す方法がわかる
口内炎の原因はビタミン不足だけじゃない
口内炎の原因や発生メカニズムは実はまだよく解明されていません。
ただ、口内炎ができた時を思い返すと、忙しく不規則な生活、寝不足や偏った食事が続くなど身体が疲れていた記憶はありませんか?
栄養状態が悪くて、免疫が落ちると口内炎が発生し、悪化したり、なかなか治りが悪くなることがあります。身体が疲れて、口内炎ができやすい時はビタミン不足になっていることが多く、主にビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6が必要となります。
その他に鉄、亜鉛など総合的に身体の抵抗力を上げるため、しっかりと栄養を摂ることが大切です。
その他の口内炎ができる原因
物理的刺激によるもの
歯ブラシによる摩擦、入れ歯や歯の詰め物、尖った歯、矯正器具による物理的刺激によって、歯茎や粘膜、舌などにできる口内炎です。食べ物などによる傷ややけどなどによりできる事もあります。頬の内側をあやまって咬んだ時にもできます。
化学的刺激によるもの
濃度の濃い洗口剤や歯磨剤など化学的な刺激によるもの、お酒や喫煙によるもの、抗ガン剤や白血球減少による免疫の低下でも起こります。
重度の口内炎
重度の口内炎には壊疽性口内炎といって複数の菌の感染により口や顔に壊死性の疾患を引き起こす病気もあります。歯ぐきの炎症からはじまり、ただれてきます。食事や会話もできないほどの痛みを伴い潰瘍ができます。口臭もありますので、このような症状が出た時はただちに歯科医院にご相談をすることお勧めします。
身体の病気に伴うもの
ベーチェット病、ジフテリア、尋常性天疱瘡、類天疱瘡、クローン病など自己免疫疾患の影響により菌やウィルスに感染してできる口内炎があります。そのほか猩紅熱、手足口病、ヘルパンギーナなど流行病で乳幼児にみられる口内炎もあります。いずれもウイルスの感染によるものです。
口内炎の種類
頬や唇の裏の粘膜、歯肉、口蓋、口唇、舌に出来るものから全身の病気に伴ってできるものまで、いくつかのタイプがあります。
見た目には、円形または楕円形の白っぽい潰瘍です。血管が充血しているので周りが赤くみえることもあります。
症状としては、粘膜が腫れて赤くなり、痛みや熱感、局所リンパ節の腫れを感じることがあります。
アフタ性口内炎
最も一般的な口内炎です。
2mm~1cm弱の白っぽい潰瘍で、多くは小さなものが1~2個くらい出来て1週間から10日くらいで自然に治ります。疲れによる免疫低下、ストレス、栄養不足、睡眠不足などが原因と言われます。
カタル性口内炎(外傷性口内炎)
歯ブラシや矯正器具、入れ歯などで口内が傷ついた部分に細菌が繁殖してできる口内炎です。おもに物理的刺激により引き起こされます。虫歯や歯周病なども原因のひとつです。
口の中の粘膜が赤く、赤い斑点が出たり白くただれたりすることがあります。
腫れた部分に熱っぽさを感じることもあるようです。
原因となるものを排除し、安静にしていれば自然に治癒します。
ウィルス性口内炎
単純ヘルペスウィルスの感染により、唇や近くの粘膜に小さな水泡が出来て敗れ潰瘍が出来ます。ウィルスの潜伏期間があって発症します。一週間ほどで自然と治癒しますが、体内からウイルスを完全に取り除く方法はなくて、一度感染すると免疫力が低下したタイミングで再発してしまうことが多いです。
アレルギー性口内炎
金属アレルギーや特定の食べ物のアレルギー、飲み薬などのアレルギー反応から出来る口内炎です。粘膜を含め口の中に起こるアレルギーの炎症です。原因となる物質を排除する事で改善します。
ニコチン性口内炎
長期的に喫煙を続けることでニコチンの過剰摂取により現れる口内炎です。口腔粘膜に赤い発疹ができた後、だんだん白っぽく分厚くなっていくのが特徴といわれます。
症状としては、痛み感じることはないされていますが、食べ物が染みることがあります。
ニコチン性口内炎が白斑を伴い治りが悪くなると、ガンに進行する危険性も指摘されています。禁煙することで改善が期待できます。
カンジダ性口内炎
誰でも持っているというカンジダ・アルビカンスという真菌(カビの一種)が口腔内で増えることによりできる口内炎です。
舌の表面に白い苔のようなブツブツの斑点から広がっていき、痛みはほどんとありません。苔状のものを無理やり剥がすと血が出たりします。カンジタ菌は皮膚や粘膜にいる常在菌ですので、健康な人には害がありません。しかし疲れが蓄積して免疫低下や抗生剤を服用した時など菌が一時的に過剰に増殖するとできる口内炎です。身体の抵抗力の低い乳幼児や高齢者がかかりやすいといわれます。
血液疾患が影響している口内炎
鉄分の不足により貧血になり、血流が悪くなります。そのため栄養が肌や粘膜に届かず、口内炎や口角炎が出来ることがあります。
鉄欠乏性貧血や再生不良性貧血、悪性貧血、白血病などの血液疾患が影響しています。
壊死性潰瘍性口内炎
口腔内の細菌が過剰に増えて、歯肉に感染して炎症を起こし、それに伴い痛みや潰瘍が生じた口内炎です。細菌が過剰に増える時はウイルスが関与していることもあり、広い範囲に白っぽい潰瘍が出来ます。歯茎がただれ、ジュクジュクして血が出ることもあり、口臭も強くなります。
歯周病になっている方に多くいる嫌気性細菌が増殖しますので、感染すると異臭を放ちます。
潰瘍の部分は、壊死した組織で灰白色の偽膜でおおわれます。偽膜ははがれやすく、取れてしまうと潰瘍部が露出するため、血が出やすく、食べ物や歯ブラシなどが当たることで痛みも現れます。
原因は悪環境の口腔内や栄養不良、喉・歯・口腔内の感染、喫煙、精神的ストレスなどがあります。
口内炎を早く治す方法
栄養、休息をとる
口内炎ができる大きな要因は身体の免疫が落ちているサインです。
口内炎の治療や予防にはビタミンB2、ビタミンB6が有効です。その他にもビタミンC、鉄、亜鉛なども免疫力を上げるために効果があります。
疲れている時は休息、質のいい睡眠をとって身体の免疫力を回復させてください。
口内炎予防にオススメの栄養素と素材
■ ビタミンB2:鮭・豚・レバー・さつまいも・卵・アーモンド・きのこ類 など
■ ビタミンB6:とうがらし・にんにく・レバー・マグロ・ピスタチオ・焼き海苔 など
■ ビタミンC:赤ピーマン・キウイ・ブロッコリー・カリフラワーなど
ビタミンCは加熱調理で失われやすいので水でゆでずに炒めるか蒸すの調理がおすすめ!!
■鉄:レバー・卵黄・あさりの佃煮・焼き海苔・ひじき など
動物性食品に含まれるヘム鉄と植物性食品に含まれる非ヘム鉄では、身体の吸収率が違います。効率よく吸収出来るヘム鉄をおすすめします。
■亜鉛:牡蠣・レバー・煮干し・松の実 など
口内を清潔にする
うがいや歯磨きで口腔内の菌やウィルスの数を減らしましょう。
口内炎ができている時は、うがい薬に含まれるアルコール成分などで刺激による痛みを感じることがあります。
殺菌成分にこだわらなくても、お水のうがいでも効果はあります。気がついた時にうがいをして、口の中を清潔に保ってください。
口内炎の薬を使用する
痛みがあっては、食事や歯磨きがままならないかもしれません。
口内炎用の薬には、軟膏を塗るタイプや患部に貼るパッチタイプのものなどがあります。
傷口を保護することで、外からの刺激が和らいで楽になるでしょう。
薬を付ける時のポイントは、患部を乾燥させて(清潔なティッシュなどで拭う)から付けると薬がはがれにくくなります。
また、軟膏は薄く塗れば充分ですので、必要以上にたくさん付ける必要はありません。
患部に塗るタイプの市販薬
販売:第一三共ヘルスケア
商品:トラフル軟膏Proクイック
価格:990円
販売:佐藤製薬
商品:アフタッチA
価格:1,200円
刺激をさける
口内炎が出来た場所が刺激を受けて痛む場合は歯科医院に相談しましょう。
歯茎や頬の粘膜に傷がついていたり、いつも同じ場所に刺激が続いているのは良いことではありません。傷の部分から悪い細菌がはいってしまうこともあります。
歯や被せ物・義歯が尖って当たる、唇や頬の粘膜を噛みやすいなど、傷が出来やすい原因を改善することも大切です。
注意したいこと
通常、口内炎は1週間から2週間ほどで自然治癒していくことが殆どです。
それ以上長引く場合や範囲が広がる、または口臭が強くなるなどの自覚症状が強まるときは、口の中だけでなく全身に関わる問題が影響しているかもしれません。
歯科医院や耳鼻咽喉科などの医療機関に相談してください。
いつから症状が出ているのか、その前後の身体の体調や、お口以外の気になる身体の変化など、合わせて伝えられると診断に役立つでしょう。
まとめ
口内炎は誰もが体験している口腔内の炎症です。
自然に治ることが殆どなため、市販の塗り薬やビタミン剤などいろいろな対処方法を耳にすることがあると思いますが、ご自身の症状にあった、対処法を選ぶことが大切です。
口内炎ができる時は、身体が疲れている・・とか栄養が足りない・・と身体からのサインが出ている時かもしれません。
日々忙しい日常ですが、栄養補給と休息のバランスをとって健やかにお過ごし下さい。