歯科衛生士が教える!プラークコントロールの方法とおすすめ

歯の健康を守るためにプラークコントロールという言葉はよく聞くけど、実際にどのような方法があるのかわからないという方は多いのではないでしょうか。プラークとは、歯垢(しこう)とも呼ばれ、食べカスのことではなく歯に付着した細菌の塊のことを言います。

このプラーク中の細菌が虫歯や歯周病の主な原因となるため、プラークコントロールとは、このプラークを取り除くためのことを広くいいます。
しかし、歯磨きだけでは完璧なプラークコントロールは出来ないのが現実です。

そこで、今回はプラークコントロールの方法について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

この記事のポイント

  • プラークとはなにかがわかる
  • 自宅でできるプラークコントロールがわかる
  • 歯医者で行うプラークコントロールがわかる

目次

プラークとは?

プラークとは歯垢(しこう)とも呼ばれ、食べカスのことではなく歯に付着した細菌の塊のことを言います。このプラークをしっかり除去することをプラークコントロールといいます。

食後に歯磨きをしない状態が続くと、歯の表面がザラザラとしてプラークが形成されていきます。

プラークが引き起こすトラブル

歯肉炎

プラークが長時間お口の中に停滞していると、歯肉に炎症が起こる歯肉炎を引き起こします。

プラークは細菌の塊なので、歯肉の周りに細菌が停滞していると、炎症を起こしたり、歯肉から出血したりするトラブルが起こっていきます。

歯周炎

プラークがさらに、停滞した状態が続くと、歯肉の中にも細菌が増殖していき、やがて歯周炎の状態まで進行していきます。

歯周病の治療について、詳しくは「手遅れになる前に!進行度別、歯周病治療の流れ」をご覧ください。

虫歯

歯の表面や歯の噛み合わせの部分にプラークが蓄積していると、プラークの中の細菌が虫歯のきっかけを作ります。

長くプラークが停滞していればしているほど、虫歯になる可能性が高くなってしまいます。

歯磨き=プラークコントロールではない

歯を磨いていれば、プラークコントールができていると思う方も多いと思いますが、磨いているのと磨けているとは違います。

プラークコントロールは、自分の磨けていない部分を理解して、磨き残しのある部分こそをしっかりとコントロールできてこそ、プラークコントロールと言えるのです。

自宅でのプラークコントロール

丁寧な正しい歯磨き

自宅でできるプラークコントロールとして、まずは毎日の歯磨きです。

ただ磨いていればコントロールできるのではないので、あなたにあった歯ブラシを使って、正しい磨き方で磨くことがポイントです。

磨き方は歯科医院で歯科衛生士があなたにあった方法をアドバイスしてくれますので、まずは歯科医院で正しい磨き方を教えてもらいましょう。

歯の磨き方について、詳しくは「プロが教える!正しい歯の磨き方をお口の状態別に徹底解説」をご覧ください。

デンタルフロスや歯間ブラシを使う

プラークコントロールに欠かせないのは、歯ブラシ以外の補助清掃用具です。

今では、デンタルフロスや歯間ブラシもいろいろな種類が販売されています。

汚れが一番残りやすのは、歯と歯の間です。歯と歯の間のプラークコントロールをすることでより一層キレイな状態を保つことができます。

デンタルフロスについて、詳しくは「歯科衛生士が教える!デンタルフロスの正しい使い方」を、
歯間ブラシについては「こんなに差がつく!歯垢除去に最適な歯間ブラシの効果」をご覧ください。

歯磨き粉の使用

プラークコントロールには、歯磨き粉は使用しなくても良いということもあります。

歯ブラシの毛先で汚れを取ることが目的だからです。どうしても磨きにくい場所や汚れが多いという方は、プラークを吸着する作用のある歯磨き剤を使用すると良いでしょう。

販売:株式会社オーラルケア
商品:アパガードリナメル
価格:2400

電動歯ブラシの使用

どうしても手磨きだと、磨き残してしまう。そんな方には、電動歯ブラシもオススメです。

電動歯ブラシの種類によっては、手を動かさなくても当てているだけで綺麗にプラークコントールをしてくれるものもあります。
手磨きだと自信がない。もっと綺麗に磨きたいという方にオススメです。

電動歯ブラシの選び方について、詳しくは「本気で選ぶ!おすすめ電動歯ブラシとお口の状態別の選び方」をご覧ください。

歯医者でのプラークコントロール

歯石除去

プラークコントロールの前に、歯の表面に歯石と言われる硬い汚れが付着していると歯の面に汚れがつきやすくなるため、プラークコントロールをする前にまずは、表面にこびりついた歯石を除去してもらうことが必要です。

歯科医院で診査をしてもらい、歯石除去が必要と診断された場合は、歯科医衛生士による歯石除去が行われます。その際に、自宅でできるプラークコントロールの方法についてもアドバイスがあります。

歯石除去について、詳しくは「放置しては危険!?歯科医院で行う定期的な歯石除去のススメ」をご覧ください。

PMTC

歯石除去も終わったあと定期的な検診の際に、どうしても磨ききれない部分や苦手な部位に対して、歯科衛生士が行うプロフェッショナルケアでプラークコントロールを行います。

プラーク除去をする専用の機械を使用してクリーニングを行う施術です。

PMTCについて、詳しくは「歯の専門家が行うクリーニング!PMTC5つのメリット」をご覧ください。

歯磨き以外のプラークコントロール

ここでは、自分では磨ききれない部分のプラークコントロールを歯磨き以外でコントロールする場合についてご紹介します。

マウスピースを使った3DS

専用のマウスピースを使用して、マウスピースの中に専用の薬液を入れて、プラーク中の細菌を除菌する方法です。

3DSとは、DrugDeliverySystemのことを言い、歯科医院で施術される治療方法の一つです。

あくまでも、プラーク中の細菌を除菌することが目的ですので、まずはきちんと磨けるようになることが大切です。

保険外診療になりますので、歯科医院によっては取り扱いのない医院もあります。

【費用の相場】
マウスピース作製5,000円~
3DS:30,000円~
※回数や薬液によって費用は異なります。

バクテリアセラピー

バクテリアセラピーは、プラーク中の細菌や体内の悪玉菌を善玉菌の力で調整する方法です。

一般的には、ロイテリ菌と言われる乳酸菌のサプリメントを活用することが多く知られています。歯周病菌や虫歯菌を軽減するという研究が進んでいます。

天然の善玉菌を摂取して人体常在菌のバランスを整えます。ロイテリ菌を生菌状態で配合しています。プロデンティスは舌のうえで転がすタブレットタイプです。

販売;バイオガイア
商品:プロデンティス30錠
価格:3,300

バクテリアセラピーについて、詳しくは「お口も体も健康に!最先端の予防医学バクテリアセラピー」をご覧ください。

抗生物質

虫歯菌や歯周病菌がお口の中に多く、炎症のコントロールが困難な場合に、一時的に抗生物質が処方される場合があります。

歯科医師の診断のもとでおこなわれ、正しく用法・用量を守って服用することで効果が期待できます。

注意点

✔プラークコントロールは自己流ではなく、歯科衛生士にアドバイスをもらってから行いましょう。自己流で磨くことで歯肉を傷めてしまったり、磨きすぎてしまうことがあるからです。

✔自分にあった歯ブラシを使いましょう。
いくら丁寧に磨いていても自分のあった歯ブラシでなければプラークコントロールができていないということもあります。毛の硬さや歯ブラシの大きさなどもご自身にあった物を歯科衛生士と一緒に選ぶことから始めましょう。

まとめ

プラークとは、歯垢(しこう)とも呼ばれ、食べカスのことではなく歯に付着した細菌の塊のことを言います。その汚れをきれいに取り除き、自分自身でコントロールできるようになるのが、プラークコントロールです。

そのためにも、まずは歯科医院へかかり、自分にあった歯ブラシと正しい磨き方を身につけ、自宅でできる効率的なプラークコントロールを目指してください。
そして、虫歯や歯周病を予防できるよう、ご自身でできるセルフケアの技術を高めてくださいね。

記事監修

小野澤 彰/歯科医師

小野澤 彰

歯科医師・AOBIデンタルクリニック院長

  • 1996年 東京歯科大学卒業
  • 1996~1998年 東京医科歯科大学研修医
  • 1998~2002年 都内歯科医院勤務
  • 2002年4月1日 歯科オノザワ開院
  • 2024年5月1日 AOBIデンタルクリニックに改称

詳細プロフィール

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