食事中、急に口の中に硬い物が…出してみると銀歯が取れてしまった。そんな経験のある方も多いのではないでしょうか。
困っていてもすぐ歯医者に行けない場合も多いですよね。そんな時の応急処置や取れてしまった銀歯の保存方法、やってはいけないNG行動などいくつかの注意点があります。また、放置してしまうと再治療が出来ずに治療が長引いてしまったり、再治療費が高額になる場合もあります。
そこで今回は銀歯が取れてしまった時の応急処置や注意点、再治療について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
- 銀歯が取れたときの応急処置について
- 銀歯が取れたらやってはいけないこと
- 再治療の方法について
銀歯が取れたら最初にやること(応急処置)
取れた銀歯を保存する
まず銀歯がとれてしまったら、きれいに洗って保存しましょう。
保存方法は、そのままお財布にいれたり、ティッシュにくるんだりすると紛失してしまう原因になりますので、きれいに洗いジップのついた袋にいれて保存するのがおすすめです。
飲み込んでしまった場合
飲み込んでしまったら、まずは喉にひっかかり痛みがないか確認しましょう。
痛みもなく、完全に飲み込んでしまった場合のほとんどは便と一緒にでてきますので、安心してください。その場合は、便からは取り出さなくて結構ですのでトイレに流しましょう。
高齢者や子どもの場合はかかりつけ医に相談してください。
取れた場所を確認する
銀歯が取れてしまった場所がどこかを確認しましょう。
できるだけ取れた側では噛まないようにします。
きれいに磨く
銀歯が取れてしまった穴の部分は、汚れがたまっているかもしれません。まずは歯ブラシで汚れを取り除き、清潔に保ちましょう。
黒くなっている場合
銀歯が取れた後の歯が黒くなっている場合は、虫歯になっている可能性が高いかもしれません。
汚れがたまりやすく悪化につながるので、なるべく早く受診し、治療することをおすすめします。
早めに受診する
痛みがある、ないに関わらず、早めに受診をしましょう。
早めに行くことで治療回数も最小限に抑えることが可能です。痛みがないからといって放置してしまうと治療が大掛かりになることが多いです。
銀歯が取れてしまう原因
銀歯の中で虫歯になった
銀歯が取れてしまう原因は、銀歯の中で虫歯ができてしまっている場合が多いです。
虫歯で歯と銀歯の間に隙間ができて浮いてしまうため、食べ物を食べたときに一緒に取れてしまいます。
合着のセメントがはずれた
銀歯を歯に接着するときの歯科用の合着セメントが劣化した時に銀歯が取れることもあります。
その際は、虫歯になっていなければそのまま銀歯をきれいにして、再合着することができる場合もあります。
銀歯が取れたらやってはいけないこと
銀歯を元の歯にもどさない
銀歯が取れて、穴が空いているのが気になったとしても銀歯は戻さないでください。
万が一、誤って飲み込んでしまうこともありますし、食事中に銀歯が取れて歯茎に刺さってしまうかもしれません。
銀歯は取れたら戻さないことです。
銀歯の取れた歯で噛まない
銀歯が取れた歯は、穴が空いていてもろくなっています。
銀歯が取れた側の歯で硬いものを噛んだりすると、もろくなっているため歯がかけてしまったり、割れてしまう危険性もあります。
また、食事をすることで穴の中に食べカスがたまり、虫歯の原因や痛みの原因にもなります。銀歯が取れた歯の側では食べ物を噛まないようにしましょう。
手や舌で触ったりしない
銀歯が取れた歯の周りは神経に近い部分です。
手で触れたり、グラグラと揺らしてみたりすることで、刺激を与えることになります。
また外れた部分が鋭角になっていることもあるので、気になるからといって舌で触るのも避けましょう。
歯医者に行くまでに気をつけたいこと
歯磨きをする
歯医者へ行くまでは、穴のあいた部分に汚れが溜まりやすいですので、歯磨きで汚れをきれいに取り除きましょう。うがいもすることをお勧めします。
穴が空いている部分も、普段使用している歯ブラシやうがい薬を使っていただけます。
痛みがないか確認する
銀歯が取れたばかりの頃は痛みの症状がなかった場合でも、歯医者に行くまでに痛みの症状が出てきた時は、「いつからどんな症状がでてきたか」を確認をしておきます。
歯科医院へ行った時に症状を伝えることができれば、スムーズに治療が行えます。
もちろん早めの受診をおすすめしますが、どうしても行けない場合には、症状の確認を行いましょう。
冷たいものや熱いものをひかえる
銀歯が取れた状態では、極力飲食物の冷たいもの熱いものは控えましょう。
痛みやシミがでていなくても、穴があいている分、歯の神経からの距離がとても近くなっている状態です。
痛みがないからといって通常通りの食事をしていると、急に症状がでて、激痛に襲われることもありますので、歯科医院へすぐに行けない方は飲食物に気をつけてください。
銀歯が取れたときの再治療の方法
痛みがない場合(虫歯がない場合)
痛みがなく虫歯がなければ、数回の治療で終わることができます。
合着のセメントの問題であれば、銀歯を再合着することで1回で終わる場合もあります。
または、歯の形を整えて型取りをし、2回目には合着でき、2回の通院で終わることもあります。
痛みがある場合
軽度
しみる程度の症状がある場合は、部分的なレントゲンを撮影して、虫歯があるかどうか、進行しているかなどを確認します。
神経に達するほどの状態でなければ、麻酔をして、虫歯を取り除き、歯の形を整えて、型取りをします。
シミ止め効果のある仮止めの材料をして、2回目の来院時に、症状を確認して問題がなければ新たに作成した銀歯を合着して完了です。
重度
痛みの症状が熱い物を食べると痛いなどの場合は、神経に刺激を与えていたり、虫歯が神経まで到達している場合があります。
部分的なレントゲンを撮影して、虫歯の状態を確認して、必要な場合神経の処置をする治療を行います。
この場合は、神経の治療に数回通い、銀歯は大きな被せに変更になるため被せ物の型取りを行います。おおよそ、1ヶ月から2ヶ月の通院が必要になります。
再治療の値段
銀歯の場合
小さな銀歯の場合は、約4,000円~5,000円の医療費がかかります。(窓口3割負担)
コンポジットレジン(CRインレー)の場合
保険適用の白い歯と同じ色のプラスチック素材(コンポジットレジン)での処置の場合、約3,000円~5,000円の医療費がかかります。ただ、取れてしまった銀歯の形態によっては強度が足りず不適用になることが多いです。
セラミックの場合
銀歯を歯と同じ色で修復する場合、自費診療という選択があります。
その中でよく使われるセラミックインレーは、自費で約30,000円~50,000円が相場です。
セラミックの詳しい料金については「歯のセラミックの料金を解説!素材や治療範囲で異なる相場」をご覧ください。
銀歯が取れて放置するとどうなる?
1ヶ月放置した場合
何も症状がない場合もありますが、1ヶ月ほど放置していると穴の中で虫歯が進行していくことがあります。
また、それに応じて冷たいものがしみてきたり、食事の時に痛みを感じる症状がでてきます。
半年放置した場合
半年ほど放置していると、歯が欠けてしまったり、最悪歯が割れてしまい抜かなくてはいけなくなる場合もあります。
また、痛みの程度もひどくなり、一時的な痛みから継続的な痛みに変化し食事もしづらくなってきます。
気づかないケースが多いですが、銀歯が取れた歯を避けて食事をしたり飲み物を飲んだりしていると、顎の疲れや噛み合わせにも影響がでてきます。場合によっては肩こりの症状がひどくなる人もいます。
1年放置した場合
1年以上放置していると虫歯が大きくなり、汚れが溜まりやすいことから、隣の歯にも影響を及ぼすことがあります。
また、肩こり以外にも顎関節症の症状や、歯並びを均等にしようとする歯ぎしりなど様々な症状がでてきます。
神経治療を行っている歯の場合は、虫歯が大きくなっても痛みを感じることないため長年放置されてしまうことも少なくないです。その場合処置ができず、抜歯になることも考えられます。
まとめ
銀歯が取れた時は、できるだけ早めに歯科医院を受診することが前提ですが、仕事や生活の中でどうしてもすぐに行けないこともありますし、休日で歯科医院がお休みのこともあります。
そんな時にも焦らず、他の歯を守るためにも歯磨きや食事に気をつけ、優先的に歯科医院を受診するようにしましょう。
放置している期間が長ければ長いほど、再治療にかかる回数も医療費もかかります。忙しくしている人こそ優先的に再治療をうけることをお勧めします。