歯が欠けた!絶対やってはいけない4つのことと原因別治療法

転んでしまった時に歯が欠けてしまったり、食事中に固い物で欠けたりして、びっくりして心配になる方も多いのではないでしょうか。

歯の表面にあるエナメル質は人の身体の中で一番硬い組織だと言われています。硬さを10段階で表したモース硬度10はダイヤモンドで、歯のエナメル質はモース硬度7です。それは水晶と同じ硬さがあり、鉄やガラスよりも硬いです。そんなを強い硬度をもつ歯が欠けてしまったり、ヒビが入るということは、やはり一大事ですよね。

欠けてしまった歯をそのままにしていると様々な悪影響が出てきてしまいますので、まずはすぐに歯科医院を受診することが大切です。

今回は、歯が欠けたときに絶対にやってはいけないことや治療内容、そして放置してはいけない理由を紹介しますので参考にしてください。

この記事のポイント

  • 歯が欠けたときに絶対やってはいけないことがわかる
  • 歯が欠けたときの治療法がわかる
  • 欠けた歯を放置していたらどうなるかがわかる
目次

歯が欠けた時に絶対にやってはいけないこと

そのまま放置しない

少しでも欠けた時は、自分で大丈夫だろうと判断しないでください。痛みがない場合でも歯の神経に影響がある可能性もあります。

また、前歯であれば見た目的にも支障があります。

すぐに歯科医院で診察を受けましょう。

代用品を詰めたりしない

欠けたり、穴が大きくて食事や会話、見た目的に支障があったとしても、代用品を詰めたりしないこと。

お菓子や食べ物が詰まっていれば、その部分に細菌も繁殖しやすくなります。

自分で削ったりしない

ほんの少しなら大丈夫かなと勝手な判断で、ヤスリや器具などで歯を削らないこと。

ちょっとした噛み合わせの変化でお口全体のバランスが崩れます。詳しくは後ほど解説いたします。

気にして指で触ったり破片をとったりしない

欠けている部分が大きく、少し引っ張ったら取れそうな場合、その破片を自分で判断して触ったり、取り除こうとしないでください。

無理に取り除くと痛みの原因になったり、手で触れることで、細菌が入り感染してしまう可能性もあります

転んだり、ぶつけて前歯が欠けた時の治療法

転んだり、ぶつけたりして前歯がかけてしまった場合は、治療ができる場合とそうでない場合があります。

程度により治療内容が異なりますので、あくまでも一例として紹介していきます。

どちらにしても、歯が欠けた状態では放置しないで、必ず歯科医院へいきましょう。

小さくかけてしまった場合

前歯少しだけ欠けてしまった場合は、その日のうちに欠けた部分を補う治療を行うことができます。

【治療内容】
①レントゲン撮影をします。歯の周りの組織に炎症がないか確認をします。
②歯の神経にダメージがでていないか診査をします(歯髄電気診断)
③診断により、問題がなければ、その日のうちに欠けた部分を補う充填治療(コンポジットレジン(保険適応))をして完了です。
もし、歯の神経に支障があった場合は歯の神経を取り除く治療が必要です。その場合は、治療に1ヶ月ほどかかることもあります。

前歯の三分の一程度が欠けた(折れた)場合

何もしてなくても痛みを感じる、冷たい物や熱い物でかなりしみる場合は歯の神経の処置が必要な事が多いです。

【治療内容】
①レントゲン撮影をします。歯の周りの組織に炎症がないか確認をします。
②歯の神経にダメージがでていないか診査をします(歯髄電気診断)
③欠けた部分が大きくても歯の神経まで届いていない場合は、歯の神経を保護する薬を塗布して、少し様子をみます。
④様子をみた後、痛みがなければ、欠けた部分を補う充填治療をして完了です。
もし、歯の神経に支障があった場合は、感染が考えられるので歯の神経を取る治療が必要です。
その場合は、治療に2ヶ月ほどかかる場合があります。

歯に大きなヒビが入った場合

欠けてはないけれど大きなヒビが入ってしまった場合、ヒビの大きさにもよりますが、強い痛みがあるようでしたら、神経を取り除く処置が必要な事が多いです。

【治療内容】
①レントゲン撮影をします。歯の周りの組織に炎症がないか確認をします。
②歯の神経にダメージがでていないか診査をします(歯髄電気診断)
③歯の神経を取り除く治療の場合は、最終的には被せ物をする必要がありますので、治療に2ヶ月ほどかかる場合があります。

歯がグラグラする場合

転んで歯をぶつけた後、歯がグラグラする場合は、歯を支えている骨の周りに炎症が出ている場合があります。

炎症が治まってグラグラが改善してくるようでしたら様子をみますが、場合によっては歯を抜かないといけなくなる可能性があります。まずはできるだけ早めに歯科医院へ行きましょう。

【治療内容】
①レントゲン撮影をします。歯の周りの組織の炎症がどの程度か確認をします。
②歯の神経にダメージがでていないか診査をします(歯髄電気診断)
③歯を支えている組織に問題がなければ、両隣の歯を接着剤でつなぎ固定し、かみ合わせなど調整します。数日間は安静にします。
炎症が一過性のものであれば、数週間で炎症が治ることもあります。
炎症が治まらず、痛みもあるようでしたら、歯の神経を取り除く治療になる可能性が高いです。最終的には被せ物をする必要性がありますので、治療に2ヶ月ほどかかる場合があります。
痛み・炎症も治まらず、グラグラする程度が大きく歯を保存できない場合は、抜歯する可能性もあります。
抜歯した後はブリッジやインプラント、入れ歯などの治療方法があります。

食事中に歯が欠けてしまった時の治療法

よっぽど硬い物を食べた時に歯が欠ける事はありますが、おそらくその歯が虫歯になり、歯の内部が空洞になってしまっていて、咬む力がかかって欠けたという事が考えられます。

もともと、しみていたり食事の時に痛みがあったり何らかの症状がある場合は、虫歯で歯がもろくなってる可能性があります。

虫歯によってかけてしまった場合

虫歯によって歯が弱くもろくなっていた場合に欠けてしまうことが考えられます。歯が大きく欠けてしまった場合は痛みがある、ないに関わらず、すぐに歯科医院で治療をしてもらいましょう。

【治療内容】
①レントゲン撮影をします。虫歯の大きさ、歯の周りの組織に炎症がないか確認をします。
②歯の神経にダメージがでていないか診査をします(歯髄電気診断)
③神経にまで影響のない虫歯の場合は、約1ヶ月以内で治療は完了します。
もし、歯の神経に支障がでるほどの虫歯であった場合は、神経を取り除く治療になり、最終的には被せ物をする必要性がありますので、治療に約2ヶ月ほどかかる場合があります。

噛み合わせが原因で歯が欠ける場合

噛み合わせが悪かったり、歯ぎしりの習癖があったりで歯が欠けた時は、欠けたサイズにもよりますが、欠けた部分を丸めて整えるだけで治療は完了することもあります。
ただし対処的な治療になりますので、根本的な噛み合わせの治療や、歯ぎしりの原因を追求し、治療することをおすすめします。

近年では、歯ぎしり防止の為のマウスピースの着用や、咬む力を弱めるための咬筋ボトックス治療も歯科医院によっては行っているところも増えてきました。

かかりつけの歯科医院へご相談してみてください。

歯が欠けてそのまま放置したらどうなるか

歯が欠けて放置していて良いことはありません。欠けるということは、どこかで歯がもろくなっている最初のサインです。少々の欠けでも時間が経つと、それが原因でだんだん大きく欠けていく事も考えられます。

欠けた部分がしみてくる

歯が欠けてしまうと外部からの刺激を受けやすくなります。

歯の表面には硬いエナメル質がありますが、内部は象牙質という弱い部分になります。

弱い部分がむき出しの状態になるとちょっとした刺激で歯がしみたり痛みを感じたりするようになります。

また、象牙質まで虫歯が進み放置していると最終的に歯の神経まで虫歯は進行してしまう事があります。

欠けた鋭利な部分で粘膜を傷つける

欠け具合にもよりますが、歯が鋭利に欠けてしまった場合、口を動かす事で舌を傷つけたり頬に傷をつけたりしてしまいます。口内炎ができてしまったり、傷ついた部分がなかなか治りづらくなります。傷の痛みによりストレスも溜まってしまいます。

また、欠けてる部分が継続的に舌や粘膜に当たることにより、その刺激で組織が弱り、思いもよらない病気を引き寄せてしまうこともあります。

虫歯が悪化する

虫歯により欠けてしまった歯はそのままに放置するとさらに虫歯が進行してしまう危険性があります。

今まで痛みがなかった虫歯でも痛みがでてきてしまったり、ズキズキした痛みが継続することもあります。

虫歯が神経にまで到達してしまった場合は、神経を取る治療が必要になります。そうなると時間や費用もかかります。さらにそれを放置することで歯の根のまわりに膿がたまったりすることも予想されます。

噛み合わせに影響する

少しの歯の欠けでも放置することにより、全体的な噛み合わせのバランスが崩れて影響がでる事があります。

歯は部分的に噛み合わせているように見えますが、縦の力と横の力などいろんな方向に力がかかって、歯全体の噛み合わせをつくっています。

ですので少しでも歯が欠けてしまったり、治療で被せ物や詰め物の治療をした後に少し噛みにくい状態が続くと、全体のバランスが崩れてくることもあります。

さらに放置していると、噛み合わせは顎全体にも影響を及ぼし、顎の関節の痛みや変形につながることもあります。

見た目の印象

前歯が欠けている状態だと、自分では気にならなくても接客業や営業の方は相手に見られていますので、お顔の印象が変わります。第一印象はとても大切ですので、自信をもって対応できるように見た目を意識することも大切です。

まとめ

歯の表面を覆うエナメル質は非常に硬い物質です。

硬い歯が欠けるということはなにかしらの異変があることが想像できると思います。

もし歯が欠けた時は、痛みがあるないに関わらず、早めに歯科医院を受診して、生涯美味しく楽しい食事ができるよう口腔の健康を保ってください。

記事監修

小野澤 彰/歯科医師

小野澤 彰

歯科医師・AOBIデンタルクリニック院長

  • 1996年 東京歯科大学卒業
  • 1996~1998年 東京医科歯科大学研修医
  • 1998~2002年 都内歯科医院勤務
  • 2002年4月1日 歯科オノザワ開院
  • 2024年5月1日 AOBIデンタルクリニックに改称

詳細プロフィール

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