親知らずを抜いた後、歯磨きをしていいのか分からないという方は多いのではないでしょうか。先生に説明されたけど、抜歯直後の緊張でよく覚えていないという方も少なくありません。
親知らず抜歯後の傷口はとてもデリケートなので、歯磨きをする際はいろいろと注意が必要です。また「傷口を避けたほうがいい?」「歯磨き粉はつけてもいいの?」「うがいはしてもいいの?」といった相談を多く受けます。
今回は抜歯後の歯磨きの方法について解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
- 抜歯後の歯磨きの仕方がわかる
- 抜歯後の食事・飲酒・喫煙についてがわかる
- 抜歯後の治癒経過についてがわかる
抜歯後の歯磨き
抜歯後は抜いた歯の傷口の部分に歯ブラシが当たらないように他の歯を磨くことができれば、磨いても大丈夫です。
抜歯した当日から約1~2週間程度、また抜糸までの間は、その部分に歯ブラシの毛先が当たらないように他の歯を磨いてください。
抜歯した状況によって、磨いていい時期は個人差があります。まずは抜歯をしてもらった歯科医院へ相談し、確認してもらうことをおすすめします。
磨き方について
親知らずは一番奥の歯なので、1つ手前に生えている歯の磨き方が大事です。特に、歯の奥の壁を磨く時には抜いた部分の歯茎に当たらないように力を弱めてやさしく磨いてください。
その他の歯は通常通り磨いても問題はありません。
歯ブラシについて
歯ブラシは、歯科医院で指示がなければ普段使用している歯ブラシで磨いてかまいません。
もし、抜歯当日に歯科医院から処方された歯ブラシがある場合は、専用の歯ブラシを使用してください。使用方法は、処方時の説明に従って使いましょう。
歯磨き粉について
抜歯後の歯磨きは通常お使いの歯磨き粉を使用して大丈夫です。
抜歯後専用の歯磨き粉はありませんが、普段よりも磨きにくいため、消毒効果の高い歯磨き粉や、低発泡性のジェルタイプの歯磨き剤を使用することで、清潔に保ちやすくなります。
また味に刺激があるものもあまりよくありません。
消毒効果が高い歯磨き粉
販売:ウェルテック
商品:コンクールジェルコートF(フッ素配合)
価格:1,100円
薬用成分:クロルヘキシジン(消毒・殺菌効果)
ジェルタイプの歯磨き粉
販売:VC
商品:ディノベート デンタルペリオケア
価格:1980円
薬用成分:IPMP(殺菌効果)、グリチルリチン酸二カリウム(消炎効果)
うがいについて
抜歯当日のうがいは極力控えてください。
強いうがいや何度もうがいをすると、抜歯後の傷口の蓋の役目をしているかさぶた(血の塊)が剥がれてしまう可能性があり、細菌に侵され易くなります。
抜歯2日目以降からはうがいを行い、歯科医院で処方されたうがい薬がある場合は、容量を守り使用しましょう。
日頃からうがいの週間がある人も2日目以降からうがいを行ってください。
その際は、「ガラガラうがい」ではなく「ブクブクうがい」を行うことによって、抜歯した穴に入ってしまった食べ物等を取り除くことができます。
うがい薬について
親知らずを抜歯した後には、うがい薬が処方される事もあります。
処方されたら、しっかり用法、用量をまもって使用してください。歯磨きの後にうがい薬を使ってうがいをすることで、抜歯した周りの汚れや傷口周辺の消毒にもなります。
歯科医院からうがい薬が処方されず、使いたい場合は、市販されているうがい薬でかまいませんが、できるだけ低刺激で薬用成分の配合されているうがい薬を選びましょう。
薬用成分のあるうがい薬
販売:明治製薬
商品:イソジン
価格:770円
薬用成分:ポピンドヨード(殺菌・消毒効果)
歯磨き時の注意点
歯磨きは麻酔が切れてから
親知らずを抜くのに長時間かかったり、歯ぐきを縫い合わせた場合には、傷口が治るのにも時間がかかる場合があります。
当日は麻酔が効いている間は歯磨きはできるだけ避け、麻酔が切れてから傷口に触れないように歯磨きをするようにしてください。
出血や痛みがある場合や口が開きづらい時は歯ブラシを当てなくても問題はありません。歯ブラシを当てることで、返って痛みが悪化してしまったり、傷口から出血したり、縫ったところが開いてしまったりすることもありますので、抜歯当日は無理に磨かなくても大丈夫です。
2日目以降、歯科医院へ消毒に行く際には歯科医師や歯科衛生士に磨き方を確認しましょう。
傷口の糸に注意
抜いた歯の周りの歯ぐきには触れないように歯磨きをしましょう。
糸で縫い合わせている部分に歯ブラシの毛先が引っかかると、痛みを感じたり、出血する場合があります。痛みを感じるようであれば、普段使用している歯ブラシよりも少し柔らかめのものを使う事をお勧めします。
だいたいの場合、抜歯後1~2週間程度で塗った糸をとることができます。抜糸をするまでの期間だけ柔らかめの歯ブラシを使うと、歯ぐきに刺激を与えることなく、痛みを感じることも少なくなります。
傷口の糸が緩くなってきたら
抜歯後、4日くらい経過すると歯ぐきが回復してくるので縫い合わせた糸が緩くなることがあります。その場合は、絶対に自分で切ったりせずに、かかりつけの歯科医院へ相談してください。
糸が気にならなければ、次の予約までそのままで問題はありません。
ただし、歯磨きの際に毛先が糸に引っかかることもありますので、糸に引っかからないように気をつけて磨くようにしてください。
抜歯当日の諸注意について
・抜歯後ガーゼをギュッと咬むのは圧迫して血を止めるためです。5~10分間程度咬んでもらい、止血したかの確認をします。
・当日は、激しい運動、入浴、飲酒はひかえてください。血流がよくなると血管が拡張して、再出血や腫れ痛みの原因になります。
・麻酔は約1~2時間程度効いていますので、麻酔が効いている間は食事をしないようにしてください。頬や舌を噛んでしまうことがあります。また暖かい飲み物を飲んだりするとやけどをしてしまったり、飲み物が口の中からこぼれてしまうこともありますので気をつけてください。
・抜歯当日は出血があったり、また唾液を混ざることによって血の量がたくさん出ている気がするかもしれません。気にしすぎてうがいを頻繁にしてしまうと、うがいによって固まった血が剥がれてしまったり、流されたりすると傷の治りが遅くなることがあります。当日は、血がでているようでしたら、吐き出す程度にして、なるべくうがいはしないようにしてください。翌日からは食後にうがいをして、抜歯した部分を清潔に保ちましょう。
・麻酔が切れてから痛みが強いときは、処方された鎮痛剤を飲んでください。
・痛みや腫れがでた場合は、氷で直接冷やすと冷えすぎしまい返って炎症の引き起こすことがあります。氷水で湿らせたタオルや冷えピタなどをやさしく当てるようにしてください。
・食事は麻酔が切れたら食べることができます。ほとんど通常通りの食事で問題はありませんが、痛みがあるときは刺激の強いもの、熱い物は避けた方がよいでしょう。
抜歯後の食事・飲酒・喫煙について
親知らずの抜歯後は、痛みや腫れることがありますので、2~3日は硬いものや刺激の強いものは避けた方がよいでしょう。
食べ物
通常通りの食事もすることができますが、できるだけ刺激を避けたい方は2~3日程度は柔らかい食品や刺激の少ないものを選ぶとよいでしょう。
例:うどん、ご飯など柔らかく刺激の少ないもの、野菜スープやシチューなどもおすすめです。またお豆腐やプリン、ヨーグルトなどもお勧めです。栄養をとり免疫力を低下させないことも傷口の早めの回復につながります。
飲酒について
お酒は血行がよくなるため、抜歯当日はできるだけ控えるようにしてください。
血行がよくなると血がとまりにくくなります。鎮痛剤の効きも悪くなります。抜歯当日は極力、刺激を少なくするために、激しい運動や飲酒、サウナ、マッサージなどは控えるようにしてください。
喫煙
喫煙は当日からしていただいても構いませんが「歯ぐきの傷口の治り」を遅らせることが言われています。喫煙者は1週間ほど禁煙することで、治癒の促進を期待できます。
抜歯後の治癒経過について
難抜歯(親知らず抜歯)
親知らずの抜歯後は、約4~6週間(約1ヶ月)程度はかかると言われています。
抜歯翌日に消毒を、約1~2週間後に抜糸します。3週間ほど経つと穴がふさがり、傷が治ってきます。4~6週目になると傷もほとんど目立たなくなります。(個人差があります)
普通抜歯
糸で縫い合わせをしない抜歯の場合は、3~4週間程度で治ってきます。
抜歯翌日に、消毒を行い、約1~2週間程度で穴がふさがり、傷が治ってきます。3~4週間目には歯ぐきが盛り上がってほどんど目立たなくなります。(個人差があります)
まとめ
親知らずを抜いた当日は、緊張していたり痛みがあったりと不安な気持ちになる方が多いです。
注意事項を聞いたけれど忘れてしまったり、自宅に戻ってどうしたらよいのか分からないこともあります。またその不安や痛みで睡眠不足になってしまったり、免疫力も低下し、傷口の治りが悪くなる可能性もあります。
分からないことや、不安なことは、歯科医院で渡された注意事項の資料などにも掲載されていますので、落ち着いて確認しましょう。
抜歯後はできるだけ口の中を清潔な状態に保ち、歯ブラシも無理しない程度に当てることで、傷口の治癒も早くなることでしょう。